あ・はるふ・まんすりー・こめんと 1999年7月28日

 
  あるハイジャック犯について

 先日起きたこれまでにないハイジャック事件についてニュース番組はずいぶん熱心でした。まず日本で初めて死者がでたこと。しかもパイロット。その後、犯人が自ら運転を試みたこと。犯行予告があったこと。犯人宅から飛行のバーチャルリアリティーゲームが押収されたこと。どれも興味深い事実ではあるけど、どうして刃物が機内に持ちこまれたかが解明され、犯人が精神鑑定にかけられると発表されたのだから、マスコミもしだいに静まってゆくのでしょう、たぶん。
 その犯行がハイジャックという形をとったこと、死者がでたことの二つを除けば、これは問題になる性質の乏しい事件で、発表通り、飛行機にとりつかれた青年がパイロットになれず狂気に陥っただけなら、どこにも採用されなかったアニメおたくが映画事務所に殴り込みをかけたようなもので、どこの業界でもありそうな逆恨み話。違うのは、一般人がまきぞいで生命の危険にさらされたことと、被害者がいたことで、報道がこの二点に集中するのも当然。
 けれど、僕はむしろこの犯人に興味がわくのです。
 と云っても、たとえば「本当にパイロットになっていれば彼も真っ当な社会人だったのかな」と考えたところで、僕は彼について何も知りませんから、はたしてその適性があったのか見当もつかないし、(乳胎児期の状況なんか知る権利もない)、実際彼が指摘していたという空港警備の不備にしても凡庸なもので、ちょっと頭働かせれば気付きそうなことですね。
 哀れなことに、彼はついに一度もパイロットになったつもりに本当はなれなかったのでしょう。バーチャルリアリティーで似た充実が与えられれば、非現実に引き蘢れます。むしろ疑似体験を繰り返すほど彼には欲求不満がたまるだけだったんでしょうね。セスナ機を飛ばすなんてのも特例ですし。
 独断を許してもらえれば、犯行声明も彼にとっては「警備を改めろ」というこれまでの意見の反復だったのかもしれません。それで犯行が失敗すれば、彼は空港側が自分の進言を採用したと独り決めし、喜んで逮捕されよう、なんてね。希望的観測の上、ずいぶん自己中心的な発想ですが。ほとんどの人はあきれます。
 彼の正気が薄れたのは、たぶん犯罪が成功してしまったからなのでしょう。
 でも、できるなら彼には病院なんかじゃなく檻の中で罪を償って欲しいものです。
 以上、ささやかな空想非科学小説でした。

 

 
  トラブル発生?

 それは一九九九年六月二十日に起こりました。
 もっとも月始めから何処にかけても話し中が多く、メールの送信ボタンを押してもなかなか反応しないし、おかしいとは思っていたのですが、あまり気にしませんでした。頭にはきてましたが。それまではつつがなく事が運んでいたので。
 さて、その日某出版社に僕はついパソコンにファックス機能があると口をすべらせてしまいました。向こうにすれば、それを使えば早いし安あがりだしなのでしょうが、こちらは実は以前にもちょっとしたトラブルを起こしたので、事実上その機能を凍結してきたのです。でも知られた以上、これで文書を送るよう求められたら断わる理由もないので、書類を作り、送信ボタンを押しました。
 そこへ友人から電話。
 送信は失敗し、電話を切ったあと、再度挑戦。
 しかし、もはやテレコムは完全に死んでいたのです。
 無論あの電話のせいではなく、あれがとどめだったのでしょう。
 結局、出版社へは電話で説明するはめとなりました。
 でも僕はファックスが不調なだけだろうと、まだたかをくくっていました。電子メールもインターネットもできなくなったのだと気付いたのはその夜のことです。
 けどどうせソフトウェアの問題だろうと楽観してたので、ファイルをインストールしたり、システムを入れ直したり、そのうちだんだん不安になってきましたが、それでもいざとなったらノート型があるさと最後の余裕。
 ところが、ノート型のアダプタが壊れ、機種が古いから取り寄せるには最低一ヶ月かかるとのこと。
 そして、このときには、よりコンピューターに詳しい知人の診断もくだり、事はハードウェアなのだとしか考えられなくなっていたのです。
 たぶんこういうのを踏んだり蹴ったりというのだと思う。
 しぶしぶ、修理を保険の加入先に依頼。箱詰めにして送り出しました。早く帰って来いよと祈りながら。
 やがて、封書が来ました。「診断結果。問題なく機能します。修理代金を下記口座に振り込んでください」当然、電話で抗議。この時点で通信不能後一ヶ月が経過しておりました。もはや、なにをか言わんや。
 ところが、絶対モデムは壊れてないと送り返されてきたパソコンを動かすと、なんと確かにインターネットだけはつながったのです。なんで? 先月とまったく同じ状態なのに。しかし、電話とファックスは何度インストールしても、やっぱりつながらない。?? まあ、いいや。本が売れたらテレファックスを買おう。
 それから。およそ一ヶ月半の膨大なメールを読み、ホームページを作り直し。やれやれ、大変だった。今度壊れた時は、もう修復せず、一からページ始めてしまおう。
 ちなみに、ノート型はまだ接触不良です。これももう直りそうにないなあ。
 
 そういうわけで、随分長い休載となり、お叱りメールもいただきましたが、再開します。
 愛読者様はPPCの無事を僕と一緒に祈ってください。(まだ時折調子悪いんだよな)

 

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