あ・はるふ・まんすりー・こめんと 1999年9月9日

 
  不作の八月

 僕はなぜか八月が苦手です。
 暑さ負けとかじゃなく、歌がね、できないんですよ。とにかくできる数も少ないし、質はもう最低。特に中旬ひどい。毎年恒例だけど、やっばり「今年こそは」と月始めは願うのです。ところが、…まあ、今年も相変わらずでした。
 人によっては夏季休暇を利用して、ここぞとばかり大量生産されているようなのに、駄目ですね。絶えずいつでも歌を詠めるよう体勢を整えておこうなんて考えているから、八月は休みだ休暇だとリラックスしすぎるんでしょうねえ。
 ため息…。

 

 
  
「死者の書」あれこれ

 NHKがならまちで中将姫展をしていると報じていたので、はるばる出かけてみたら、閲覧無料にふさわしい内容だった。中将姫といえば、釋迢空(折口信夫)「死者の書」のヒロインという印象が僕の場合強いので、そこを強調した展示は嬉しく、特に、作中、姫が眺めた二上山落日の写真は、しばらく見とれてしまったのだけれど、どこから撮ったのかは書いてなかった。絶対、小説の舞台・当麻じゃないよなあ。山の角度が違う。往きに偶然、誕生寺の前を通ったら、中将姫生地跡の石碑が建っていて、驚いたりもした。
 そういえば、アニメーション作家・川本喜八郎氏が「死者の書」を撮りたいと衛生放送の番組で発言したとか『夜想』最新号に書いてあったけど、そのせいか中公文庫で今夏再刊されたり、にぎやかなこと。でも、どうせなら文庫版全集二十四巻を買って、迢空の小説全部手に入れる方が得だと思う。未完の「続・死者の書」も読めるし。
 しかし、この作品が名作だとは多くの人が書いているけれど、何故名作なのか、そもそもここには何が描いてあるのか、首肯ける解説文をまだ読んだことがない。難解だからなあ。作者も「読めるものなら読んでみろ」ぐらいの調子で書いた可能性は充分ある。
 だから、読みごたえのある本を捜している人でなければ、僕も勧めません。
 けど、アニメかあ。うーん。でも実写じゃ無理だな、絶対。阿弥陀仏を演じられる俳優なんかいないものね。TV版西遊記みたいにお笑いなら別だけど。

 

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