「死者の書」あれこれ
NHKがならまちで中将姫展をしていると報じていたので、はるばる出かけてみたら、閲覧無料にふさわしい内容だった。中将姫といえば、釋迢空(折口信夫)「死者の書」のヒロインという印象が僕の場合強いので、そこを強調した展示は嬉しく、特に、作中、姫が眺めた二上山落日の写真は、しばらく見とれてしまったのだけれど、どこから撮ったのかは書いてなかった。絶対、小説の舞台・当麻じゃないよなあ。山の角度が違う。往きに偶然、誕生寺の前を通ったら、中将姫生地跡の石碑が建っていて、驚いたりもした。 そういえば、アニメーション作家・川本喜八郎氏が「死者の書」を撮りたいと衛生放送の番組で発言したとか『夜想』最新号に書いてあったけど、そのせいか中公文庫で今夏再刊されたり、にぎやかなこと。でも、どうせなら文庫版全集二十四巻を買って、迢空の小説全部手に入れる方が得だと思う。未完の「続・死者の書」も読めるし。 しかし、この作品が名作だとは多くの人が書いているけれど、何故名作なのか、そもそもここには何が描いてあるのか、首肯ける解説文をまだ読んだことがない。難解だからなあ。作者も「読めるものなら読んでみろ」ぐらいの調子で書いた可能性は充分ある。 だから、読みごたえのある本を捜している人でなければ、僕も勧めません。 けど、アニメかあ。うーん。でも実写じゃ無理だな、絶対。阿弥陀仏を演じられる俳優なんかいないものね。TV版西遊記みたいにお笑いなら別だけど。
|