あ・はるふ・まんすりー・こめんと 1999年9月28日

 
  蜘蛛の糸

 深夜二時。「さて、そろそろ寝るか」と灯を消し、念のため戸閉まりを確かめるべく玄関に向かうと、腕にからまる糸屑。何? こんなところに何故と思ったら、なんと蜘蛛の糸。蜘蛛が台所で巣作りを始めていたのです。事態を呑み込むまで少し時間がかかりました。追い払うまでもなく蜘蛛は巣作りをあきらめてくれましたが、ここがそれほど蜘蛛にとって餌が豊富な場所なのかと一思案。しかし階下の青年が去年蜘蛛を飼っていた話をしてくれ、この土地では珍しくもなんともないのだと、またひとつ衝撃。これでも特急停車駅徒歩数分なんだからなあ。
 ところで関係ないけど、むかし芥川龍之介の「蜘蛛の糸」読了後、ドストエフスキーにそれとそっくりそのままのエピソードがあるのを目にし、これでも盗作じゃないのかと驚いたことがあります。おおらかな時代だったんでしょう、当時は。
 もっとも現代にだって、手塚治虫「ジャングル大帝」のリメイクとまで悪名高き「ライオン・キング」とか「おい、おい」と言いたくなる例はありますがね。僕にも頭にくるようなのがちらほら。ほんと。
 ちなみに僕のキーホルダーはKYOTO手塚治虫ワールドで買った物です。<写楽保介>が欲しかっんだけれど、無いから、<火の鳥>で我慢です。でも本当に欲しいのは<ブクツギツユ>…なんてあるわけないって。

 

 
  
長居にて

 ひさしぶりに長居スタジアムまでサッカーを見に行きました。
 去年のナビスコ杯、フリューゲルスVSアントラーズ以来です。順当にいけば、ジュビロVSアントラーズ二強対決のはずが、フリューゲルス快進撃で両雄を連破し、決勝でエスパルスをも負かすこととなった、あの試合。フリューゲルスが優勝後解散消滅してしまったためか、大昔のような。案内のおねえさんが子供に「僕の席、アントラーズ?、それとも、ジュビロ?」と尋ねてしまい、少年に不審な顔をされていたのがおかしかった。思えばあの日、その二強時代に一区切りが付いたんだよね。(まだ「終わった」とは言わずにおこう)。
 今回はセレッソがヴィッセルに圧勝しましたが、これまででは最悪の凡戦。始めてスタジアムで観戦したのは、エスパルスが辛勝した試合だけど、あれが一番よかったなあ。熱戦だった。
 でも、どれほど録画技術が発達したって、スポーツは一瞬の感動が本質であることに変わりない。だからいくらあの試合がすばらしかったからって観てないとしかたない。スポーツライター史に輝く「江夏の21球」だって生中継を目にしていた奴といない奴の印象は違うよね、きっと。僕は真剣に見つめてたけど。あの文章は教室でクラスメートが内容をくわしく説明してくれたっけ。これは、でも、ついこの間のような気がするな。変だ。
 さて、試合後はミスター・ドーナツで「最近話題の芥川賞作家」についてちょっと文学談義をしたのですが、どうも話がかみあわない。おかしいなあと思っていたのですが、帰宅後僕が喋っていたのは、そのとき受賞したばかりの芥川賞作家ではなく、(有名な学生作家でもなく)、その前年度受賞者だったと気付きました。ひどい勘違いですね。ごく最近の人だからまだ印象が薄いんだよって弁解にはならないな。でもそういうのってあるよね。ないか、あんまり。

 

 
  
WILD BOARS

 またスポーツ・ネタで恐縮ですが、絵に描いたような弱小球団阪神は先日ついに長年親しまれた「タイガース」を廃し、「ワイルド・ボアーズ」と改称しました。訳すと「イノシシども」。つまり、猪突猛進軍か、イノシシ武者か。すると、たちまち連勝街道を驀進、各マスコミは毎日<猛猪軍>の特集を組み、甲子園球場はイノシシの旗が旗めき、テレビは新庄や薮の勇姿を映し続ける。――そんな夢を見ました。
 さて問題は、フロイトやユンクによらず、河合隼雄にも岸田秀にも関わりなく、この夢をどう解釈するかですが、
  1 阪神低迷のひどさにうんざりしている。(一時は首位だったのに)
  2 マスコミのわざとらしいセ首位戦線報道に食傷している。(実体は独走だったのに)
  3 イノシシ鍋が食いたい。(‥‥)
 ほかにもいくつかありましたが、どれも今一つ納得がいきません。
 なにより、「ワイルド・ポアーズ」ってなんなんだ、一体。
 でも、河合氏や岸田氏なら夢判断などより、短歌分析していただいた方が僕には有益かもしれませんね。

 

 
  附記

 十月から毎月未発表の新作を載せてみることにしました。しばらくは最新歌集「月のむこうがわ」からになりますが、そのうちできたてのほやほやも掲載したいと考えてます。
 「貴方の頁」は「あ・まんすりー・こめんと」更新時に必ずしも連動せず、適度におこなうつもりです。

 

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