あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2000年2月29日

 
  読書のイメージ

 百貨店内の展覧会から招待券をもらったので、いや、正確に言えば、その主催企業からいただいたので、出かけてみた。
 暇つぶしとしては充分楽しく過ごせたけど、僕の興味を惹いたのは、展覧会の主旨からは少しずれるが、ずらりと並んだ百年分近い読書キャンペーンのポスター。それを古い写実的な物から最近の物まで順繰に眺めてゆく。
 最初は子供達がめいめいの本を読んでいる。時には並んで。時には向き合って。僕の住まいの近所でも時折見かける光景だ。この寒いのにそれぞれが一心に膝の上の文字を追っているのを目にすると、さすが子供は風の子と感心する。同じように読書はしていても、こちらは炬燵で丸くなりながらだ。かなわない。
 ところが、しだいにポスターの絵は、読書の実態と離れてゆく。友達数人で一冊の本を囲み始める。やがて、家族全員で大型本を眺める絵。絶対に何処の家庭にも存在するはずのない光景。
 これはやっぱり読書イコール孤独というイメージを払拭したかったからなのか。今でも似たようなデザインを見かけるが、こういうのが売り上げ増に役立っているなら、妙な話。現代人はそれほど一人が嫌なのだろうか。確かに、いつも一人は嫌だろうけど、いつも誰かと一緒というのもうんざりしないか。
 適した人数というのもあるのだ。野球は九人、トスバッティングは二人、素振りは一人、読書も一人。それで充分じゃないか。五人や六人で一冊読み通すなんて滅多にないよ。一人で読んだ方が落ち着いて、むしろ楽しいに違いないのに。
 ところが、前言を翻すようだけど、一冊だけ、僕は八人で一冊を読み通したことがある。雑誌を数人で飛ばし読みしたことはともかく、こんな経験は二度とない。
 高校一年の昼休み。小林まこと「1・2の三四郎 第一巻」。教室で全員爆笑しながら読んだ。中には涙まで流している奴さえいたが、不思議と誰の本だったのかどうしても思い出せない。そいつはおそらく一人ひっそり読むつもりだったに違いない。明らかに僕等は御邪魔虫であったろう。その証拠に二巻以降を誰かと読んだ覚えはない。
 やっぱり本は一人で読みたいんだよ、誰だってさ。

 

 
  返信

 風邪で咳に咽せながらも、予告どおり、また返事をしたためます。なお、前回もそうでしたが、「貴方の頁」と違い、ここでは一般読者の便宜をはかり、メールは若干推敲してます。

◇ケーキを食べたら太りませんか。なんか100キロとかありそう。(貴方の頁'00,2, に掲載)

 僕は細身です。以前書いたように、生菓子を腹に入れる量は多くありません。体質・遺伝を除けば、太る原因の第一は、暴飲暴食。酒と炭酸飲料はあまり飲まず、高価な食べ物で太れるほど裕福でもない。もうひとつ、運動不足がありますが、これだけは普段から気を付けています。
 でも、先日ある女性から来た「そのスマートなからだで」うんぬんというメールは、褒め言葉の要素が低かったな。たぶん。

▼あなたの本を読みました。あなたはほんとうは僕と同じで部屋から一歩もでない生活をおくっているんじゃないですか。(貴方の頁'00,1,31に全文掲載)

 読んでくれて、ありがとう。
 ホームページの記述を疑う精神はとても健全です。実際に尋ねるのは、ともかく。だから、今は誓いの対象となる総てに誓って本当のことを述べましょう。
 僕は歩くのが好きです。僕は著書で現代人の病理を描こうとしました。それがあなたの実際の病気と波長が合ったのかな。
 でも、どうしてそのホームページからここへ来られたのかがよくわからないですね。リンクがはられてるのか、紹介欄でもあるのかな。

◎どうして癒し系の短歌を作るのですか。

 僕が歌を詠み始めた頃は、もちろん「癒し系」なんて言葉はありませんでしたし、そんなこと気にしたこともないです。
 ただ、歌は鎮魂であり、魂を鎮めるものだと思って詠んできましたし、今でもそう考えています。それが「癒し系」に通じると言われれば、そうかもしれませんね。

●歌壇結社とは接触したくないのですか。

 そんなことはありません。「貴方の頁」に投稿してくれる人もいますし、メールのやりとりがある人もいます。気にせず、またメールください。

 

 
  シークレット曲

 こんなこと誰かがとっくに指摘してるだろうけど。
 欧米のアルバムレコードを聴いてると、ときおりクレジットに書かれていない曲が収録されている。これが結構聞きごたえがあって、しかも政治的社会的にそうとう過激なものが多い。言論の自由はあっても、アメリカなんか銃規制も緩いから、危険なんだろう。
 先日聴いた邦盤にもシークレット扱いの曲があった。でも、内容にシークレットでなければならない理由は何一つ感じられなかった。しらけた。
 天皇とか右翼幹部とか暴力団組長なんかを相手にするならシークレットにするのもわかるけどな。大企業も、ちょっと勇気いるか。
 それに、アナログ盤ならともかく、コンパクト・ディスクじゃ隠してもあまり意味ないと思う。プレーヤーにセットしただけで、すぐバレる。
 どうせオマケのつもりなんだろうから、とやかく言ってもしかたないんだけどさ。こちらも「あ、やっぱりもう一曲あった」って喜んでれば良いんだろうね。

 

 
  拝読

 購読者からの読後感想メールが届いてますが、中に一通、僕から直接購入した人なのですけど、御丁寧に「拝読」とありました。
 寄贈者ならともかく購読者にまで「拝読」されたら照れますよ。それとも、よそではみんなそうやってるのかなあ。「**先生、御著書拝読させていただきました」とか。講師が主任教授に挨拶しているみたいだな。

 御意見、御感想がございましたら、お聞かせください。
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