あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2000年4月13日

 
  ああ、高橋和己

 引っ越しにはアクシデントがつきものだけど、今回泣くに泣けないことがあった。
 荷造りのおり所持品を減らす。なにもかも持ってゆく愚は犯さない。しかし、あまり捨てすぎると、後で後悔する。そのへんはきっちり分別されている、はずだった。
 移り先で一通り片づけが終わり、ふと気付いた。
 「一箱たりない」
 珍しくはないミスらしいが、僕にはまだ経験がない。第一、運送会社から受け取りの時きちんと確認した。ということは、渡す時すでに欠けていたのか。まさか。
 しかし、その「まさか」だった。
 手伝ってくれた友人が間違えて古本屋に一箱多く売ってしまったらしい。
 高橋和己訳「李商隠」、ヤコブソン「一般言語学」等、いずれも単行本初版。全部古本屋でせしめた物とはいえ、十数年来の本棚の主役達。ショックで、その日は寝付くまで言葉もなかった。
 もっとも、日が経つと、たとえここにあっても、もはや読み返すことはなかったかも、と思えてきたが。さて、彼等はどこかで新しい友人に出会えるだろうか。

 

 
  返信

 今回は僕のメールだけを載せます。どういうのに対する返事か適当に想像してください。

▲ 正岡子規と云えば、彼は今の僕の歳に死んだので、その旨を年賀状に書いた
ら、「おまえ、もう死ぬのか」と言われました。そういう意味じゃなかったんだけど。

■「歌に造詣の深い方」なんてそれほどいないと思いますよ。同じようなことを以前書いてきた人もいましたが、そんなのばかりじゃないです。冗談としか思えないのもあるし。まあ、リンクをはってくれているサイトは短歌関連が多いから、読んでくれている人に短歌に興味のある人の比率が高いのは確かだろうけれど。
 奈良は寒いけど、暖冬が救いです。

☆「Your Song」はエルトン・ジョンの中では一番好きですね。ピー
トンの詞がせつない。あのアルバムは結構好きな曲が多いのだけど、
後になるほどエルトンはショ−・ビジネス化して、つまらなくなった
と感じてます。

▼今ディープ・パープルが「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を
やっていた。リッチー・ブラックモアじゃなくスティーブ・モー
ズのギターでも意外に悪くはなかったけどさ、(本当に生演奏なのか?)
ああいうの見たら、もうロックはつくづくナツメロだね。

◇クラシックや雅楽はナツメロじゃありません。だって、
誰が懐かしいって思うんだよ。二百年ぐらい生きてる人に
はべートーヴェンだってナツメロかもしれないが、もう記
憶力なんか残ってないかもしれないな。
 「キッスは目にして」ならナツメロだな。あれはベート
ーヴェン「エリーゼのために」の借用だとは覚えているけ
ど、さて歌ってたのは誰だっけ。

●安室も「天皇在位十周年」出てたっけ。GLAYとか黒木瞳とか西城秀樹とか森繁とか王貞治…、Jリーガーもいたな、そのへんは覚えているけど。それにしても、皇室ネタは話題になるんだねえ。「懐妊の兆候」で号外だもの。まだ「懐妊」ですらないんだよ。「出産」なら騒ぐのもわかるが。
ところで、キヨシローも僕は聞いたけど、昔カルメン・マキのライブ・アルバムで「ロック君が代」を弾っていたのも印象的です。 だれに聞かされたんだっけなあ。

★じつは先月中に仕事の上で進展があると複数の人から言われたのですが、 (もちろん僕自身が金出して占ってもらったわけじゃありません)、結局何もなかったようで。そういうの聞いていると、ライフスペースやら法の華やらの被害者を笑っていられませんねえ。まあ、僕には百円だってそんなものに払う余裕はないですが。
 全然関係ないけど、野村監督ってやっぱ親馬鹿らしいね。(注:カツノリ選手阪神入団の件)

▽トレッキングや軽登山が渋いなら、僕は生まれつきの若年寄りですね。
 ちなみに、おととしまでは登山をしたあと温泉に入るのが旅の定番でした。もっと
渋い。熊野古道から白浜へ抜けて、海を眺めながら湯に浸かったときは、最高の気分
でしたよ。
 昨年から奈良県内をうろうろすることが多いですね。大和三山なんかも行きました。
 瀬戸内海はあの橋を全部徒歩で渡りきりたいなと思っているのですが、無理なので
行ってません。もしできるなら、たちまち知り合いでツア−が組めるのに、残念。や
りたがってる知人はいるのですが、みんな琵琶湖大橋で我慢しています。
 今年もまた何処かに行きたいな。
 では、では。

追伸
 花粉が多い年は僕も症状が出るようになりました。でも、去年は大丈夫だったから、
今年もできればと思っています。

◎※※さんも西行を知っていてくれて嬉しい。僕の回り
は、とってもよく知っている人と、ちっとも知らない人
に分かれるので、間がないのです。
 西行は世捨人の印象が強いとのことですが、当時は出
家ブームで高野山なんかにもあちこち庵があったらしく、
法師同士の交流も盛んだったとか。また、西行はとても
女性にもてる方で、京の都から宮仕えの女房達が訪ねて
くるので一緒に和歌山まで同行したり、彼女等の中には
出家後は西行庵のすぐ側に住んだ人もいて、実態は結構
楽しくやっていた様子。たぶんストイックな方なんだけ
ど、芭蕉のように求道的禁欲さからは遠い人です。まあ、
当時は源平合戦の世で男がいくさで大量死しているから、
男女比率がそうとう偏っていたという事情はあるにしろ。
あんまりそんなこと言うと、厳粛な方々から顰蹙をかい
そうですが。
 名高い西行桜はあらかた見ました。そういうのを理由
にうろうろするのも楽しいものです。でも、今年はもう
桜も終わりですね。

 

 
  「この一首」了

 今回で「この一首」は更新終了させていただきます。
 最初から一年間の予定で始めたのだけど、一時トラブルで更新が途絶えたから、目標二十四回に切り替え、前回で無事達成。オマケとしてプラス1でお別れというのも悪くないんじゃないでしょうか。
 次なる企画にしばらく頭を悩ませそうですが。
 ところで、近頃の僕の悩みは、書きたいことがありすぎて、どれから始めてよいのかさっぱりわからず、手当りしだいにやるから、数枚もしくは十数枚書きかけの原稿があちこち散らばっていることです。
 やれやれ。次の原稿はいつ完成するんだよ。

 

 
  附記

 出版社から4月22日と23日東京ビッグサイトで開催される国際ブックフェアに「当社ならではの人気書籍を展示販売致します」ので「御著書を展示させていただく」から、御来場ください、との誘いが来た。
 出かけましょうか。

 

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