あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2000年7月14日

 
  生きる情報過疎地帯・改善

 現在ネット生活をしている人の半数以上がメールマガジンを読んでいると、某メールマガジンに書いてあった。一人平均は十誌以上だとか、「ほんとかよ」な話だが、ちなみに僕も六誌採っているから嘘でもないのかも。
 とにかく、これまでなら雑誌購入なりラジオ・アクセスなりしなければ手に入らなかった情報が、無料であちらからやってくるのだから、情報が利潤を産む時代は斜陽化するのでは、とも考えられる。すると、また〈インターネットは道路なのか(利潤無し)鉄道なのか(利潤有り)〉というお定まりワンパターンな議論に往ってしまいそうだから、
 「交通料金をたっぷり執れば管理者には利潤ができるに決まってるだろう」
 「でも、情報発信者はこのままじゃ干上がるよ」
ぐらいにとどめて、送られ手としては便利な世の中になったものだって、喜んでいる場合じゃないような気もする。
 そういう方面に金を使わなかった僕は、これまで「生きる情報過疎地帯」でしたが、おかげで少しは改善されそう。でも、使う人は少し楽になる程度で、やっぱり大枚をはたき続けるような気もするな。

 

 
  わたしは可愛い三月兎

 メールマガジンが多いと思っていたら、「@laetitia」という歌人集団からも「送らせていただきます」と丁寧な挨拶が来たので、参加メンバーを見たら「おお」と叫びたくなるほどの顔ぶれ。かくして、ありがとうございますとばかりに拝読している。これが無料なのだから、やはりメールマガジンは恐ろしい。
 創刊号中一番印象に残ったのは、藤原龍一郎氏が仙波龍英氏に宛てた歌だった。
 仙波龍英氏が吾妻ひでおや高橋留美子の漫画を表紙にした歌集「わたしは可愛い三月兎」を発表した時は、ずいぶんおもしろがったし、「ここのつの吾は姉たちと軽蔑す名もなく貧しき釜ヶ崎人を」など高度成長期からバブル期そのままの世相を反映した歌は、そうした雰囲気を嫌っていたがゆえに余計魅力的だった。
 ちなみに、僕がこの本で最も好きなのは、歌壇にも作者にもほとんど重視されてなかった歌じゃないかと思う。参考までに挙げておく。

  私の狂気僅少反吐として桜と分つわはははははは

 記憶違いで最後を「うわははははは」と覚えていた。しょうがないなあ。
 

 

 
  うらやましい装幀

 大型書店に出かけたら、一番目立つ場所に定型詩集が積み上がっていた。
 ため息を抑えることができない。その表紙は、昔からいつかこういう造りで自分の本を出したいと思っていたそのままだったから。(著者写真を除いて)。
 もうできないなあ。残念無念。くやしい。

 

 
  ずるい大人

 近頃、十代の歌集や句集をしばしば見かける。どれほど売れているのか知らないけど、そのこと事態はとても歓迎すべきことだと思う。くだらない老害歌句集があふれかえっているんだ。若年層が進出して悪いわけない。
 でも、思う。ちょっとおかしい。そう思わざるをえない本を、僕は何冊も見ているんだ。びっくりするほど多い。
 中には、はっとする作を収録しているのもある。しかし、大半は、もちろん、駄作の氾濫。
 自費出版ならしかたない。でも、そうでないのが、ちらほらある。
 作者がかわいそうだ。才能の萌芽あれば、なおさら。
 どうして才能が全開する年令まで待てないのだろう。
 岡真史や山田かまちは逝ってしまったのだから、しかたない。原石のようなその輝きは、いくら待っても、あれ以上の宝玉にはならない。彼等にその時間がなかったのは哀しいけど、僕等はその可能性を目のあたりにして、惜しむことができる。
 けど。彼等にはまだ未来があるんだ。ひょっとしていつか大才を発揮する日が来ると本気で考えるなら、どうしてそれまでそっとしてやれないのか。どうせ二十歳過ぎにはただの人になっているだろうから今のうちに儲けておこうとしてるのではと邪推してしまう。
 大人達が寄ってたかって潰しているようにしか見えない。
 僕にも小学生時代からの習作がある。当たり前だが、そんなのは表に出さない。恥ずかしいから。あんなものを少数とはいえ他人に読ませたなんて思い出したくもない。大学卒業時に歌集出版の話をもちかけられたけど、断わった。当時は歌集・句集・川柳集がかなり売れていたから起きた誘いだろう。でも、出さなくて良かったと、本心から思う。出していたら、一生後悔するところだった。ともかく僕の第一歌集はそれなりに納得がいく物になれた。
 彼等は後悔できないだろう。そんなことが判断できる歳ですらないから。
 ひどい話だ。
 いつかベストセラーが生まれるだろう。「彼」はマスコミの寵児になるだろう。でも、それで最も不幸になるのが他ならないその「彼」だとしたら、どうだろう。たぶん「芸術なんてそんなもの」と大人はうそぶくだろう。それを知らなかったのが「彼」の罪なのだろうか。
 ああ、こんなこと全部杞憂であったら善いのだけれど。

 

 
  近況

 Performaがあまりにも入力ミス・停滞・凝固・爆弾表示を繰り返すので、しぶしぶ検査に出したら、内蔵電池を取り替えられました。以後はまずまず。でも、更新は半月もストップしてしまいましたが。
 みんなずるいよ。

 
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