あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2000年9月12日

 
  夏休みなんてないから

 子供の夏休みも、大人の御盆休みも、休めなかった人の夏期代休もそろそろ終わり、まだ休暇が続いているのは大学生ぐらいでしょう。
 僕はもうずいぶん前にそういう生活を卒業しちゃったから、年ごとに夏の想い出はバラバラで、去年は唸りながら御盆も日曜も関係なく執筆に専念してましたが、おととしは一ヶ月半、日本海をずっとさまよってました。そうして三年前、五年前、七年前、と辿ってゆくと、まるで一貫性がないから、アルバムとか手帳を見なけりゃ何処に居たかもわからない。図書館に連日籠りっきりの年もあったなあ。それも、涼しいからLDを一日眺めてた年もあれば、真面目に調べ物に費やした年もある。
 不思議なもんだ。

 

 
  まだsummer

 梅雨の最中にさんざん聴いた曲が耳につくようになりました。
 アメリカ映画の主題歌なんですが、CD発売時はたいしてプロモーションしなかったのに、今月の上映封切と同時に力を入れ始めたらしい。季節のBGMがすっかりずれてしまいました。

 もっとも、アメリカではまだ夏ですが。

 先日、アップル社のS.ジョブズ氏は今年の夏にOSXのベーター版配付を行なうと発表していたのに、リリース時期が九月中旬となったことについて、辞書を手に「summerとは秋分の日まで」と言いわけしたそうです。「日本では夏は立秋まで」だとは、おそらくジョブズ氏も御存知なかったでしょう。季節感のずれはこうしたところからも生まれるんだな。
 まあ、八月いっぱいまではみんな夏気分ですけどね。

  秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行

 この名歌はアメリカ人には理解できないのですね。秋分の日じゃたっぷり秋だよ。

 でも先日、宮沢蔵相にいきなりこの和歌が引用されるとは思わなかったな。蔵相にとって<風の音>とは具体的に何なんでしょうか。たんなる風音、じゃないでしょうね。

 

 
  巨人はそんなに強かったのか?

 いつのまにやら早くも本年度プロ野球ペナントレースは終わろうとしています。ここはもうすっかり秋そのもですね。奇蹟でも起こらぬ限りセ・リーグは決定的、パ・リーグはまだ一縷の望みもありますが。
 それにしても、今年の野球はつまらなかった。これほどしまりのない凡戦が多いのも珍しくないか。落球、暴投、タイムリーエラー。四死球、押し出し、怪我人続出。先発投手は三回もたず、中継ぎはめった打ち、リリーフは火だるま。打てば、サイン見落とし、走塁ミス、ボール球を盲振りの連続三振。序盤で、四、五点とっても、セーフティーリードとは誰も考えていない。最下位チームなら昔からありふれた光景だけど、首位争いをしていてもこのザマだった。それは今月の中日対巨人戦とダイエー対西武戦を思い出していただければわかる。解説者は仕事だからしぶしぶ「優勝争いにふさわしい熱戦」などと形容していたが、本心では信じられないプレーの乱発に辟易していたのではないかな。先発にせよリリーフにせよ、エース級がそんなにあっさり降板しないでほしい。甲子園大会の決勝戦じゃあるまいし。
 特にセ・リーグはひどかった。喜んでいたのは独走した巨人軍のファンだけで、僕みたいに試合を楽しみたい野球ファンには最低のシーズンだったと断言する。
 中日と横浜の投壊には失望した。阪神はあいかわらず点がとれず、ヤクルトはちっともベストメンバーがそろわない。広島は善戦したとも言えるけど、それは僕がぶっちぎりの最下位予想をたてたから。優勝と関わりのないところにいたことには違いない。レベルが低すぎる。これではサッカーを観てた方がおもしろいとの声が再び昂まってきても知らないぞ。
 巨人は金を使って優秀な選手を集め過ぎ、という言い訳も気に入らない。巨人を擁護するつもりはさらさらないが、清原選手や江藤選手のように自ら希望して移ってきたのは一部で、半数以上は在籍球団と揉めて、飛び出したり、クビになった選手。フリーエージェント制がなくても、工藤、メイ、マルチィネス等は、巨人に来たはずだ。企業は優秀な社員を手放さない為、様々な努力が必要なはずなのに。僕には結果的に他球団も巨人に扱いにくい有力選手が集中するのもやむなしと考えているように見える。扱いやすい選手ばかりで勝てるならこんなに楽なことはない。近年の近鉄のように高給取りになると必ず移籍話を起こす球団は万年最下位に居てくれた方が健全だ。中村選手も今の調子では数年後には危ないかもしれないな。いや、これは冗談。
 「事情もよく知らないのに」と球団関係者は思われるかもしれないが、それならわかるように説明して欲しい。僕はただつまらない試合を観戦したくはないのだ。それだけなんだ。
 ところでひょっとするとサッカー界で一番扱いにくそうなのはトルシエ日本代表監督だったりして。

 

 
  Morioka

 作家・村上春樹氏はしばしば現代を代表しようとする傑作を描こうという野心や意欲を感じさせる作品を発表しており、それだけで充分すばらしいことで、なぜなら名作は描こうとしなければ絶対に書けはしないし、そういう作品に挑戦している人は文壇広しといえど、あんまりいない、哀しいことに。愛読者ではないけど、そのへんはやはり好意的になる。そんなこと氏にとってはどうでもいいことだろうけどね。
 ところがその村上氏はまた何を考えてるのかさっぱりわからない本も出版するのだけど、近刊の「またたび浴びたタマ」ほど訳のわからない物もないと思う。回文集なんて。できちゃったから出したというだけなんだろう。友だちがくれたので、目を通してみても、出来の良いのはあまりない。
 個人の趣味はともかく、最もすっきり上手くできているのは「もりおかのちまたしたまちのかおりも(盛岡の巷、下町の香りも)」でしょう。「ええがたがええ(A型がええ)」等はすっきりしすぎているし。僕は結構好きですが。
 関係ないけど、盛岡駅の駅名表示はたしか石川啄木の筆跡でしたね。しかし、これからは啄木より宮沢賢治の方がステータスありそうです。どうでもいいけどさ。
 それから。僕が始めてユーミンこと松任谷由実の声を聴いたのはラジオで耳にした「緑の町に舞い降りて-Ode to Morioka-」なのですが、きれいな曲なんだけど、詞の一節に「Moriokaというその響きがロシア語みたいだった」とあるところがどうにも引っ掛かり、どこがどうロシアなんだろうと今でも不思議です。感受性の相違といえばそれまで、でも、どうにも納得がいかないのですよね。
 なんかしまりのない文章になっちゃったな。

 

 
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 今月一日に振り込みファームを設定し直しました。どうぞ御利用ください。トップページからどうぞ。
 ここだけの話ですが、今bol.comなら『月のむこうがわ』をOnline Orderで送料150円にて届けてくれるそうです。著者サインなどいらんわい、という方はあちらがいいかもしれませんね。

 

 
  近況

 北杜夫「茂吉晩年」読みました。今回始めてここに来た人には「それがどうした」で、さっぱりわからないでしょうね。
 茂吉絡みで言えば、今週は塚本邦雄「獨斷の榮燿」も遅まきながら。ああ、こういう文字表記、疲れるんですよね、パソコンは。獨斷の榮燿。筆記ならなんてことないのにさ。獨斷の榮燿。コピー&ペーストしてしまえば楽だ。獨斷の榮燿。しつこい。
 秋になり、突然忙しくなってきました。何がってはっきり理由がある訳じゃないのですが、とにかくハードなままに一日はたちまち過ぎてゆきます。がんばって書かねば。
 それにしても時代は雨ばかりです。

 

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