あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2000年12月22日

 
  近頃の漫画たち

 恒例『ダ・ヴィンチ』の年間ベスト20が発表されたが、コミック部門に発行部数一位のはずの『少年マガジン』から一作もないのはどうしたことやら。「GTO」連載中断のせいか。
 一転、『少年ジャンプ』から三作も。「ONE PEACE」も、「ヒカルの碁」も、こんなに上に来るのかよ。そりゃ、たしかにおもしろいけどさ。うん。
 「東京大学物語」も「月下の棋士」も入ってないのは近頃の調子では当然か。どちらも連載開始時はとてもおもしろかったのに、ややマンネリぎみだしな。
 連載スタート時から何故か惹かれず無視してきた「残酷な神が支配する」が大幅ダウン。あらら。巨匠・萩尾望都の作品は名作「ポーの一族」を始め、ずいぶん読んできたけど、この評判作は一巻を通読したきり。少女漫画の同性愛路線に少しあきてきたんだろうか。でも、順位が下がると、逆に「何があったのか」と興味を感じてしまう。ちょっとまた読んでみようか。
 『少年サンデー』では「コナン」が「ARMS」より何故人気があるのかという謎はともかく、「からくりサーカス」と計三作、順当のランクイン。でも、「からくりサーカス」はナルミが生き返って「それじゃ『サンデー』じゃなく『ジャンプ』だよ」としらけて以来、関心が薄らいだ。(『ジャンプ』がそんなのばかりだという意味ではない)。
 連載開始したばかりの「トガリ」はまだ圏外だけど、僕は注目している。死後の世界に堕ちた者が現世に戻り改めて生き直すというのは、漫画に関わらず映画にせよ童話にせよありふれた設定だけど、絵にもストーリーにも不思議とパワーがある。単純な善悪解釈とか罪意識に後退しないだろうな、という不安も。でも、大丈夫だろう。ともあれ、来年度のランクインを期待。
 単行本部門なんてのもあったが、それはパス。読んだ本ばかりで恥ずかしい。

 [付記] 「あ・はるふ・まんすりー・こめんと 74」に続く。

 

 
  今時の歌会

 先日ネット歌会を傍観した。
 僕には歌会参加の経験がない。参加を呼び掛けられたのでやんわり断わると、できればコメントをと言うので、一度思うままを書いたら、他の人達とはずいぶん違ったものになってしまった。僕は作品の出来を率直に記し、他は全員歌の解釈等に終始したわけ。
 さて短歌研究社刊『短歌年鑑』を今年も読んだが、その座談会で語られているところによれば、どうもこの傾向は歌壇全体の潮流らしい。作品に否定的な意見を述べると、弟子(生徒)が止めてしまうからだそうだ。もっとも、十年前にも誰かが似たようなことを述べていたけど。
 アマチュア文芸誌に歌を載せる処から始め、いまだ歌壇と交流のない者は、こういうところでつまづく。
 そういう文学の場所では下手なものは容赦無い。ただ「ヘタクソ」と言われ、歌稿を突き返される。十九歳の僕は一年で百首近い没を体験し、雑誌に載せてもらえたのはたった四首だった。評価や感想を聞かせてもらえるのは雑誌掲載作のみ。もちろん、それほど当時はヘタクソだったのだが。のちに第一歌集を編む時、僕は没には見向きもせず、採用された四首のうち三首を落とし、一首だけを収録した。
 当然、その時はものすごく頭にきた。新聞投稿欄にはもっとくだらないのが幾らでも載っているじゃないか、と。志の低い奴だ。低い所と比べてどうする。
 そういうわけで、十代の僕の関心は、どれほど上手く詠めるかだけだった。なぜなら、僕が歌いたいことを歌いたい姿で詠むことに口を挟む人もなかったから。素材も主旨も行分けも口語も文語も関係ない。これもあの頃には珍しいことだったが。
 今は発表の場さえ選べば、そういう所は幾らもあるのだし、好きなようにできるのだから、後は上手下手以外知りたいことに何があるのだろう。
 聞くところによれば、当時の歌壇の歌会も結構厳しい意見が飛び交う所だったとか。
 どういう姿の歌会が良いのか、俄には言えない。ただ、僕には漫然と感想を並べ合うのは、礼儀上のエール交換のようで、いささか鼻白む思いだった。

 

 
  「玄妙不可思議なる奇跡」?

 作家・町田康氏のホームページを訪ね、今年一年分の日記を一気に読んだ。歯医者にばかり行ってるんだなあ、とか思いながら。本当は思潮社とのケンカの一件についての報告があるというので出かけたんだけど。出版とはつくづく発行者との争い事だ。いつも。
 今年の夏に「玄妙不可思議なる奇跡のフライパン」を買う、という記事あり。おや、三、四年前からうちにあるのと同じ品だ。
 しかし、どのへんが「玄妙不可思議なる奇跡」なのかはよくわからない。僕には何処にでもある普通のフライパン。個人的には、このフライパンを僕に買い与えてくれた人と町田氏の誕生日が同じと云うことの方が、はるかに「玄妙不可思議なる奇跡」だった。ただの偶然とも言う。
 ところで町田氏といえば今や京極夏彦氏等とともに美形作家で雑誌の表紙をしばしば飾る方ですが、先日、話のついでに「来年の目標は文筆家美男子ランキングで京極・町田を越えること」と冗談をとばしたところ、まったくウケず、失笑をかいました。
 でも、とりあえず目標は大きくないと、ね。

 

 
  著書情報

 メールで知ったのですが、「ころがる」に続き「Cry」も品切れ扱いにされたようです。こちらへの直接購読依頼が増えたのは、そういう事情なのですね。
 上記二冊はそういう理由で、御希望の方は書店経由では無く、Online Orderに従い、手続きしてください。
 これまでの例から推測するに、振り込まれてからこちらに連絡があるまで一週間程度は要するようです。そこを勘定に入れ書籍到着をお待ちくださいね。
 少しずつでも稼ぎがあるからこそ生きていける。残念だけど、哀しい事実です。

 

 
  元旦は

 一説によりますと、元旦は新年の挨拶等で電話回線が混雑しアップロードが困難になるとか。
 本当でしょうか。
 いずれにせよ、来月も一日更新しますが、そういう事情であるいは遅れるのかなという不安も。杞憂で終われば良いけど。
 ちなみに2001年にも去年同様誤作動問題があるそうです。うるう年の関係で。うるう年は4の倍数なんだけど、100の倍数は例外、なのに1000の倍数はやっぱりうるう年とパソコンが理解できていない機種があるということらしいけど、人間だって理解に苦しむよ、まったく。ほとんど話題になっていないのは、たいしたことは起こらないだろうということなのかな。まあ、水くらいは用意しておこうか。

 

 
  近況

 鼻が病気になりました。ほかはなんともないのですが、これだけで人体は大きなダメージを受けるようでして、
 ・鼻は呼吸の役にまったくならない。
 ・酸素不足の為か、頭が重い。
 ・痰が搦み、喉が気持悪い。
 ・鼻頭と目尻が痛いので、目が霞む。
 ・集中力がまるで起こらない。
 ・気力がわかない。
 すると、家の中だと寝てるかテレビでも眺めるかぐらいしかできない。それで外出して盲滅法歩き回るのでした。ウィンドゥショッピングも立ち読みする気にもならないから、これこそまさしくただの散歩と呼ぶべきではないでしょうか。
 一週間程でほぼ完治しましたが。

 

 
  ごあいさつ

 信じられないことに、早くも今年最後の「こめんと」でした。
 いったい一年かけて何をしたやらと思い返すと心細い限り。来年もこの調子で片付いてゆくのだとたら、ちょっと恐い。
 では、皆様、本年はどうもありがとう。来年もよろしく。

 

  付記:来年のお知らせ(`00.12.28)

 「今月の作品」は次回から原則として毎週土曜日更新とし、「今週の作品」となります。なお一層の御愛読をお願いします。

 

 御意見、御感想がございましたら、お聞かせください。
 無断転載は禁じます。Copyright(C),Miyake Satoru,2000

Online Order

書店でなくても本は買える!
 

次回

前回

あ・はるふ・まんすりー・こめんと 一覧   三宅惺ホームページ