懐メロを知った日
さて。 どうやら僕はいままで懐メロとは何かを知らなかったらしい。 もちろん僕にだって懐かしい曲はある。でも、懐メロ趣味は僕にはなかった。そもそも僕は中学時代から自分の生まれる前の曲で楽しむような奴だったのだ。 ビートルズは今でもCDを時々聴く。レノン&マッカートニーはまったくすばらしい。モーツァルトのように。懐かしいと云うのとは全然違う。 スプリングスティーンはもう聴かないが、耳にすれば、やっぱりすばらしいと感じる。懐かしいのではない。シューベルトのように。これも何か違う。 ディープ・パープルやクラッシュ。なんか昔よく鳴っていた気がするなあ。改めて聞き込む気にはなれないね。気持良いけど。 キャロル・キング、プリンス。聞くともなしに聞いていた。今聞いても佳い曲だなあ。でも、懐かしくはないね。 だから僕には懐メロなんて関係ないと思い込んでいたのだ。 ところが最近あちこちで聞いてしまう。 アバ。くだらない。単純なメロディ、つまらない詞。どれくらいつまらないか。なにしろ"You
are the dancing queen,young and sweet,only seventeen…"って、どこまで唄えるんだ、俺。試したら、結局最後まで唄い切ってしまった。しかも「チキチータ」を聞くと、なんと心が浮き立つんだよ。 これこそ真の懐メロではないか。どれほど理性が名曲ではないと言っても、体が拒否する。あの時代の空気を肌に感じてしまうんだな。 そういえば気紛れで買ったアバのレコードを聞きに、それまでたいして話したこともなかった級友達が家に遊びに来たっけ。化石のようなエピソードさ。あのレコードはどうしたのだっけ。 今日も「チキチータ」をラジオで聞いた。そしてまたもや僕は、曲のすばらしさにこれっほっちも惹かれないまま、あふれるせつなさに圧倒されつつ、拭えない寂しさにちょっぴり浸ってしまったのだった。 ところで、アバってインターネット上ではアルファベットでどう表記してるのだろう。ABBAでその場をしのいでるのだろうか。最初のBが左右裏返しなんだよね。上下逆ならAを∀とすることもできるけど。凝り過ぎるのも良くない、という教訓になるかな。
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