あ・はるふ・まんすりー・こめんと 2001年8月1日

 
  長期的展望による経済再建の為に、とかね

 暑い。毎日照りつける日射しで、全身蕩けきっている。体を起こす意欲も湧かない。
 経済成長率も、株価も、下降気味。
 その対応策には、一時の気休めにしかすぎない株価対策ではなく、目先にとらわれない構造改革しかないと偉いさんはおっしゃいますが、それよりも長期的展望に立つなら、この暑さ、なんとかしてください。仕事になりません。この部屋は連日34度を突破してます。38度なんて日もあります。真夜中でも28度まで下がれば御の字。これで春や秋と同じだけの成果を出せと、日本中の就労者は要求されてる。無茶苦茶です。
 僕が子供の頃と比べても、夏は異様に暑く、冬も暖かくなってます。紅葉は遅れに遅れ、最近は初冬の風物詩と言って良い。もう秋には色付きません。たった数十年で、この国は恐ろしく高温化に向かっています。
 僕は難しいことは解らないので、これが地球温暖化なるものと関係があるのかどうかは知らない。
 けど、急激に暑くなっているのは間違いのないことで、それは気象台も認めている。これが余計なエネルギー消費となり、個人の疲労を蓄積させ、ストレスを高め、労働意欲を失わせ、作業効率を低下させ、冷房費の増加等に伴う経費節減を鈍らせ、休暇希望を募らせ、熱中症等の病気を蔓延させていることは確かだ、と言われたら、なんとなくそういう気になってくるでしょう。
 これ以上暑くなったら、日なたで肉体労働するなんてのは、よほど健康に自信がないとできなくなるかも。そして、日本は某熱帯国のように、夏の白昼はほとんど誰も働かず、昼寝してしまう人々ばかりになってしまいますよ。かくして、昔は経済大国なんて言われた時代もあったなあ、なんて老人が若者に日陰で涼みながら語る超貧乏国が誕生する。
 あれ。すると、日本人全員が俺のようになるってことか?
 そういうのも好いかも。
 俺は、まあ、木陰で読書と執筆でもしてれば、満足ですけど。それも仕事のうちになっちゃうのかな。

 

 
  つまらない開票速報

 子供の頃、テレビの選挙開票速報がおもしろかった。
 最初はなんだかさっぱりわからないし退屈だったんだけど、途中経過が伝わる度に獲得数が増えて、「逆転だ」「突き放した」等と云う言葉が飛び交い、スポーツ中継のようだと思った。公約とか政策みたいなヤボなことは知らない。間に今後の展望予測が入ったりして、まる一日、国民全員でペナントレースをやっているようだった。実際、これは数字を奪い合う闘いなんだから、子供の勘はそれほど外れてなかったように思う。
 最近はもう観ない。先日の参議院選挙も少ししか目にしなかった。
 つまらないから。
 冒頭にいきなり出口調査発表なるものがある。そこでいきなり、A党何議席、B党何議席と告げられる。後はそれに基づいた感想を、最初はタレント候補、最後は党幹部に話させるだけ。どの局も同じ顔ぶれを引っ張り回している。もちろん深みある議論なんてあるわけもない。キャスターとコメンテーターが違うだけ。まず最初に勝負の結果を教え、アナウンサーと評論家がべらべら喋った後、勝者と敗者のインタヴューを流しているだけの試合中継を放送しているようなものではないか。
 ばかばかしくて見てられない。時間の無駄だ。翌朝、新聞をじっくり眺める方が有益だと思い、そうした。
 こんな物なら放送する必要無い。出口調査番組を約五分やり、通常通りのドラマやらバライティーを流した後、結果を深夜番組ですれば良いんだ。
 どっちにせよ、僕はそんなもの観ないけどさ。

 

  勘違いした小林よしのり氏

 「おぼっちゃまくん」の漫画家・小林よしのり氏が「ゴーマニズム宣言」を始めた時、僕はたまたま連載誌を読んでいた。いや、たまたま連載第一回を目にしたので読むようになったのかな。
 僕はその雑誌の発売日に必ず手に取り、まっさきに「ゴーマニズム宣言」を読んだ。
 おもしろいから。
 意見は無茶苦茶だ。でも、良いじゃないか。真っ当でつまらない思想よりもエキサイティングでバカな発想の方が笑えるぶん読む気になる。それに漫画では最後に必ず「ゴーマンかましてよろしいですか?」と尋ねてから、独断と偏見に基づいた傲慢極まりない暴言で終わるところが、より一層笑いを誘う。自分を笑い者にするのはお笑い芸としてもっともオーソドックスなものではあるけれど、それでもたいした芸だと僕は感心しながら読んでいたものだ。知人達とも
 「ハチャメチャやろ」
と言いながら、笑いあっていた。
 ところが。
 「戦争論」あたりからである。笑えなくなった。
 先日たまたま一冊まるごと小林氏のインタヴューの著書を借りる機会があり、そこで「わしには※*万人の支持者がいるんだ」と、これはギャグ抜きで放言されているのを読んだ。これは『ゴーマニズム宣言』の売り上げ冊数らしい。すると、僕もその中の一人に数え上げられているわけか。
 今や小林氏は外国にもその名を知られた著作者だ。もちろん善い意味でではない。
 百万部売れたって百万人が著書に感動・同感したわけではないし、まして思想に説得力を感じた人となると、その割合はさらに下がる。しかも、これはギャグ漫画家の作品なんだから、「バカだなあ」と笑っている人の数は、他の思想書よりさらに高い確率だろうことは、作者本人も承知の上と考えていたこちらが甘かったんだろうか。たとえば、もし同じ内容が笑いの要素のない活字本で出版されていたら、僕はもちろん見向きもしなかった。あきれただけだ。
 もちろん、右傾化した現代、その思想に共感した人も相当いたには違いないだろうけど、ただ笑っていただけの奴もさらに多くいたことに小林氏は思い至らなかったんだろうか。
 お笑い芸で政治や社会を扱った人として、もう一人、横山ノック氏がいる。あれも惨めな末路だけれど、先日たまたま扶桑社教科書関係者とテレビに映っていた小林氏を目にして、僕は寂しいものを感じた。芸がどこかで芸でなくなっている。昔の小林まこと漫画ならば、いの一番に笑われる役割であるところを、無自覚のうちに引き受けてしまったいるようだ。あれがただの知識人なら鼻で笑いとばせばしまいなところを、小林氏が座っているからこちらは顔がこわばる。
 あなたは笑われる役じゃなく、(自分自身をも)笑わせる役だろ、小林さん!

 
 

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