三宅惺・創作発表欄。毎週土曜日更新。

  ひとりぼっちへの挨拶

 
空は丸いとわかるほど青く
みんな狭い場所に耐えてる家屋
見下ろす俺は誰からも遠く
逃げだす昼休み屋上の奥

独活(うど)の大木(たいぼく)でさえ小さい
車道の脇を歩いている勤勉さに喝采
頭の中にはお互い白菜
しらけさせる一切合切

上り口から見えない空間
背後に人が来ても気付かない鈍感
カレーパンもしくはジャムパン
投げずに振るいつまでも空罐

ついと下から現われ空に消えたあの小鳥
秋だから目を凝らし立ち上がり
ひょっとするとあれがヒバリ?
何も見えず立ちつくすばかり

雨の日は理科室に通じる階段に移動
窓から明るい裏庭を眺望
ボールがはずむ音ひびく講堂
教師の白い目に見おろされる児童

親指を舐める 授業中 家の居間 所かまわず鳴る警笛
爪を噛む 皮膚が剥がれる 唾(つば)が数滴
頬を打つ親 指に糊を塗る教師 冷笑するクラスメート 皆(みな)敵
ここだけがささやかな悠々自適

うしろから近付いてきた高い異性の声 声
誰かは知らない 息をのむ沈黙が聞こえ
引き返す数名 交流が滾るそこへ
翳る空 目前の鉄条網 静かすぎる日の光注(そそ)ぐここへ

どうしてこんな来たくもない所へ来てるんだろう
どうして全員が同じ所へ集まるのが正しいとみんな考えているのだろう
どうしてそこで何が行われているかよその人は関心を持たないんだろう
同士なんか何処にも居ないで HELLO

(2001.6-7)

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