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あの日より / また目をそらす / 沈丁花 / まだ腐らない傷んだこころ


 自歌撰「ロール・アンド・クライ」より
 沈丁花の季節です。
 白花沈丁花(シロバナジンチョウゲ)は目を惹く大きさにもあでやかさにも欠けるけど、可憐。花びらがない代わり、白い咢片が四枚、一見鋭いが実は滑らかな葉に囲まれ、密生して開く。
 ところが、沈丁花は外面紅紫で、内面白。紅白といえば、聞こえはいいけど、その紅が白を侵蝕してゆくような色彩は、ぞっとするものがある。香りは、ともかく。
 この歌は、初出時どうしても気に入らず、後で手を入れようと、とりあえずスペース確保のため原稿にまぎれこませたものの、どうしても上手く直せないので不掲載やむなしと考えていたのが、最終校正になって急に思い至り、今の姿になった。出版社には迷惑な話。
 ともあれ、どれほど深い傷もいずれ癒える、とは限りません。世の中それほど甘くないです。


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