あ の こ ろ |
記 憶 ば か り を た め た |
ゆ び き り の |
束 は 忘 れ た け れ ど |
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【縦書きがきちんと表示されない人の為に】 |
自歌撰「ロール・アンド・クライ」より
ゆぴきりげんまん、うそついたら針千本のます――この歌が唄われだしたのは、いつ頃からなのだろう。子供が二人の小指をからませて唄う。それは、固く無邪気な約束の誓い。もう少し成長すれば、別の作法をとるだろう。
では、大人はゆびきりをしないのか。そんなことはない。子供とはもちろん、恋人同士でも時にはありうる。つまり、ゆびきりとはきわめてプライヴェイトな場でのみ成立する仕種らしい。その行為が関係を明らかにする。
もっとも性が開放されればされるほど、肌の接触が減る傾向にある現代において、この風習がいつまで続くやら、こころもとない気もする。
歌は、無句切れ五七調、倒置体言止めで、字余りなし。ぴったりの五七五七七。作者としては「うまくいった」とほくそ笑んでいれば良いのかもしれないが…不思議な歌だ。