【縦書きがきちんと表示されない人の為に】
あのときの叫びは何処に / 葬った / 生き埋めの種 / 空へと生える


 自歌撰「ロール・アンド・クライ」より
 種は生き埋めにされるのである。
 気分は生き埋め状態と感じたら、急に種に親しみを持ち、「僕は種だ」と言いたくなる。「種は私だ」ならフローベールのもじりだ。前田夕暮の「吾は虫の如し」に倣うなら「吾は種の如し」かな。
 けれど、春が来ると、多くの種が発芽するのだ。季語では「雪間草」「若草」「草の芽」「物の芽」「下萌」「草萌」「若芝」等、多様な表現がある。もっとも、この歌では発芽といっても季節がいつであるか何も関係なかったな。
 ともかく生えるものは生えるのだ。理由なんかいらない。


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